30代後半、フランス在住の主婦です。
日仏家庭なので和食・フレンチどちらも献立に取り入れてはいるのですが、やはり食材が手に入りにくい分、和食の作成には手を焼きます。
野菜ひとつとってみても、日本の野菜とは全く違っていたり、異なるクセがあったりするので、日々の研究は欠かせません。
ただ、日本食材の流行と言う追い風に乗って、地元の農家さんも日本風の野菜を作るようになったので、それには大変助けられています。
近年、日本種の「だいこん」を手に入れられるようになったので、煮物や漬物など、大いに献立に取り入れています。
ただ、初めて煮物を作った際にあくが強く残ってしまい、苦みが強く感じられました。
基本レシピの通りに、一回吹きこぼしているんだけどなあ…と思いつつ、何度も作ってみたのですが、やはりあくが残ります。
どうしたものか、と思っていたところ、宇江佐真理先生の時代小説「ひょうたん」にその答えがありました。
主人公は江戸時代の主婦なのですが、彼女が一度、お米のとぎ汁で大根を吹きこぼしているのです。
さっそく私もお米のとぎ汁で大根を吹きこぼし、その後圧力鍋でじっくりと煮込んでみました。
すると!!全く別物のような、素晴らしい煮物ができあがったのです。
あくは消え失せ、だし汁のうまみがばっちりと沁み込んで、小さい子供も「何これ、おいしーい!」と大喜びで、私もガッツポーズです。
本には本当に、たくさんのことを教えてもらえるなあ…としみじみ感謝しながら、とても美味しくいただきました。