土地の価格は一物五価とは、1つの土地に5つの土地の値段があることを言います。
目的ごとに基準となる価格が示されるわけですが、土地の価格が分かりにくいという弊害もあります。
【実勢価格】
実際に売買される取引価格、時価の事。
実際に取引していない土地に関しては、周辺の売買事例から推察します。
【公示価格】
地価公示法に基づき、年に一度公示する標準地の単位面積当たりの価格です。
周辺の土地価格の指標、公共事業用地取得のための補償額算定等の基準にします。
国土交通省が毎年1月1日を基準日として、標準地の正常地価を3月に公表するものです。
一般に公示価格は実勢価格より低い場合が多いです。
【路線価(相続税評価額)】
主要な道路に面した1㎡当たりの評価額で、相続税や贈与税の算定基準になり、一般に公示価格の約80%の価格になります。
国税庁が毎年1月1日を基準日として7月に公表します。
【固定資産税評価額】
固定資産税・不動産取得税・都市計画税・登録免許税等の計算の基となる評価額で、一般に公示価格の約70%の価格になります。
市町村が3年に一度1月1日を基準日に見直して3月に公表します。
【基準地標準価格(基準地価)】
都道府県知事が選択した基準地の標準価格です。
公示価格を補完する役割を担い、毎年7月1日を基準日として9月に公表されます。
土地の売買価格はあくまでも実勢価格なので、公示価格や路線価など他の価格から購入代金を想像するのは間違いとなります。